名古屋哲学フォーラム2019冬のお知らせ

今年度の名古屋哲学フォーラムでは、社会心理学と哲学のコラボレーションによって「概念工学」という新しい学問領域を立ち上げようという野心的な著作の合評会をします。海外でもConceptual Engineeringは話題になっていますが、本書の「概念工学」はそれと比べて概念づくりと工学とのアナロジーと学際性を強調したものとなっています。本書の編者によると、概念は人々の幸福に深くかかわる人工物であり、概念工学とは、有用な概念を創造・改定することを目指す学際的な学問領域だそうです。心理学―とくに社会心理学―と哲学は共に概念の本性とその理解・使用に関心を寄せてきたという経緯があり、本書『〈概念工学〉宣言!』はその協働により概念の基盤、必要性、課題、可能性を提示することと試みています。概念工学に関する問いを抽象的なレベルで議論するだけでなく、「心」「自由意志」「自己」という具体例を社会心理学と哲学の一線の研究者が検討しているのが特徴です。この検討においては、従来の社会心理学と哲学の探究目的、探究方法、基本的想定にある共通性と差異を明るみにだし、それに対する反省の下に新たなアプローチを進めようという、科学哲学的・メタ哲学的な営みがなされています。上記のプロジェクト―あるいは、さらに広く(社会)心理学と哲学―の意義と展望について興味を持たれた方は、ぜひ合評会にご参加ください。

今回の名古屋哲学フォーラムは、科学研究費補助金(基盤(B))哲学的知識の本性と哲学方法論に関するメタ哲学研究(代表者 鈴木貴之:研究課題番号 16H03347)の研究活動の一環として実施されています。