基盤研究公開セミナー2005講演概要


2005年基盤研究公開セミナー講演概要

「複雑系科学の冒険:コンピュータ内で心を進化させられるか?」

複雑系科学専攻 有田隆也 教授

社会的環境における他者との心の読み合いがヒトの知能や 心の進化をもたらしたという説がある.この説を前提として, 複雑系科学の方法論である「創って理解する」という構成的手法に 基づいた『「“Aが〜を知っている”ということをBが知っている」 ということをCが知っている』という タイプの他者の心を推測する能力(「心の理論」)が進化する 計算機実験について述べる.

「プログラミングの歴史と展望」 計算機数理科学専攻 酒井正彦 教授

コンピュータの発展に伴い膨大な量のプログラムが必要 になってきている.それに対応して,プログラムを行う 様式も進歩した.本講演では,コンピュータの誕生 期から現代に至るまで,プログラム自体の表現方法や考 え方,記述スタイルの変遷を眺め,プログラミングを見 つめ直す.

「映像技術の発展と社会」 社会システム情報学専攻 横井茂樹 教授

写真や映画・テレビは19世紀後半から次々に発明され, 急速に発展して我々の生活に浸透し,今や多大な影響を 与えている.さらに,20世紀中ごろから発達してきた コンピュータがCGを始めとして急速に映像の世界を 変えつつあり,各メディアともデジタル化への大きな流れが 生じつつある.本講演では具体的な映像を紹介しながら 過去の映像技術の発展を概観し.今後の動向について解説する.