2009年09月17日計算機数理科学専攻

計算機数理科学特論の概要

情報処理の設計、解析、効率化に代表される計算機科学の基礎についての概説、あるいは、情報科学のベースにある数理的基礎理論や情報に関わる諸現象に対する数理モデルの構築と解析についての概説を、他専攻あるいは他研究科の院生の受講をも想定して講義を行う。リレー講義ではあるが、例年一人の講師が3、4回担当することにより、本質的な部分にも触れるようにしている。

  • 時間:毎週金曜1限(8:45〜10:15)
  • 講義室:情報科学研究科棟第2講義室
  • 問合せ先:情報科学研究科・計算機数理科学専攻、松本裕行(matsu@is.nagoya-u.ac.jp)
平成21年度
 講義日
担当教員 概要
4月17、24日
5月1、8、15日
平田富夫  アルゴリズムは情報科学・情報工学の基盤となる重要な分野である。ここではアルゴリズム設計法の基礎的事項について解説する。まずソーティングを例に、漸近的計算量や再帰アルゴリズムなどの基本概念について学ぶ。次に、撮影スケジュール問題という具体的な問題を取り上げ、グリーディ法、動的計画法、スイープ法などのアルゴリズム設計法について解説する。
5月22、29日
6月12、19日
神保雅一  組合せデザインは、実験計画法、情報通信などのさまざまな分野で用いられている。この講義では、組合せデザインとその応用について解説する。まず、情報通信の分野で同時に複数のユーザが通信をする際に、多重通信のための組合せ符号が持つべき数理構造を述べ、そのような組合せ符号の符号語数の上限界式を満たす最適符号の構成法について概説する。また、暗号の理論の分野で秘密分散法と呼ばれ、複数のユーザが合意した時のみ鍵が開けられる暗号化の方式に組合せデザインが使われている例についてもその概要を講義する。
6月26日
(貝瀬秀裕助教が代講)
7月3、10、17日
松本裕行  確率過程は時間とともにランダムに変動する運動を記述するモデルとして用いられる。昨今では株価の変動のモデルをブラウン運動に基づいて構成して、オプションの価格付けやヘッジの方法に関して議論する数理ファイナンスが有名である。この講義では、確率過程の典型的な例としてランダムウォークとブラウン運動についてその軌跡の性質などについて述べるとともに、応用に関しても触れる。

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