2009年09月17日メディア科学専攻

メディア科学特論の概要

メディア科学の基礎、メディアを処理・表現する知的機械の創造、および、人間の認知機能の解明を目指して、人間にとってのメディア科学について講述する。本特論は基本的にはメディア科学専攻の複数教員によるオムニバス形式で実施し、メディア科学全体についての概要と各専門分野における基本的重要事項ならびに最新の技術動向について講述する。

  • 時 間:毎週金曜日1限(8:45〜10:15)
  • 講義室:IB電子情報館中棟1階IB011講義室
  • 問合せ先:情報科学研究科・メディア科学専攻 工藤 博章(kudo@is.nagoya-u.ac.jp) 電話 052-789-3098
平成20年度
 講義日
担当教員 表題
概要
4月17日 村瀬 洋 映像処理の概要を講義する
 映像処理に関して、膨大な放送映像から特定の映像や繰り返し映像を高速に探索する手法、車載カメラ映像から自動車の周囲環境を認識する手法について紹介する。
4月24日 武田一哉 音声音響信号処理の概要を講義する
 音声言語や動作など、人間の行動を音・映像・加速度などのメディア信号として捉えることで、意図の理解や個性の検出など、「実世界を計算処理」する技術を講義する。
5月1日 中谷智広 メディア表現論の概要を講義する
 室内で再生収録した音に影響を与える残響について取り上げ、残響音のモデル化手法、収録した音からの残響除去方法などについて紹介する。
5月8日 井手一郎 パターン情報処理の概要を講義する
 映像の効率的な検索や効果的な再利用のために必要である「映像の構造化」について、主に自然言語処理と画像処理による取り組みと、その応用例を紹介する。
5月15日 竹内義則 センサフュージョンの概要を講義する
 センサフュージョンの基礎となる技術としてトラッキングを取り上げ、主にカメラの動きを伴うビジュアルトラッキングのさまざまな手法とその応用例を紹介する。
5月22日 工藤博章 生体情報工学の概要を講義する
 生体の情報処理を扱う分野として、心理学、生理学、工学の立場があり相互に連携している。ここでは、視覚処理に関する心理学の知見を活かした工学的応用について紹介する。
5月29日 大西 昇 自然言語処理の概要を講義する
 人間が日常使用している言葉(自然言語)を計算機で処理する方法(形態素解析、構文解析、意味解析)の概要、自然言語の応用および最近の話題について講述する。
6月5日 齋藤洋典 情報行動の概要を講義する
 行動の模倣学習に注目し、行動の熟達化を促す学習支援を、脳情報の解読による行動の制御を目指すBrain Machine Interfaceの観点から取り上げ、現在進めつつある認知心理学的研究を紹介する。
6月12日 三輪和久 知識獲得の概要を講義する
 発見や創造性に関わる研究のトピックスを取り上げて、人間の高次思考過程に関する認知科学の概要を講究する。
6月19日 川合伸幸 認知情報処理の概要を講義する
 視覚情報処理の選択性を講義する。脳内で処理される視野情報にはフィルタがかかる。この注意という機構の発達が、後の言語獲得や他者の心の理解にどう関連するか紹介する。
6月26日 長尾 確 デジタルコンテンツ技術の概要を講義する
 Webページやオンラインビデオなどの、ネット上で共有され、オンデマンドに閲覧が可能なデジタルコンテンツの意味的内容を処理し、閲覧者の嗜好や特性に適合するように自動的に加工する技術について概説する。
7月3日 北岡教英 音声言語処理の概要を講義する
 音という信号と言語というシンボルを融合した音声言語メディアを、機械で扱う音声認識技術および音声対話技術を概説し、その応用例を紹介する。
7月10日 中岩浩巳 メディア表現論の概要を講義する
 本講義では、まず、NTTCS研で進めているコミュニケーション科学研究の目指すものについて概説した後、その文脈で行っている自然言語処理研究について紹介する。
7月17日 高田敏弘 メディア表現論の概要を講義する
 離れた場所や離れた時間にある複数のメディアインタラクション空間を繋ぐ、コミュニケーションシステムの原理、デザイン、実現、そして評価について論じる。
7月24日 森 健策 医療・福祉情報処理の概要を講義する
 医学の分野におけるメディア処理の例を紹介する。特に、画像情報、センサ情報処理の処理手法やそれらの融合方法について概説し、それらがどのように役立つかを説明する。

(前期定期試験期間:場所未定)

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