2011年09月26日澤 正憲 助教(計算機数理科学専攻)
組織的な若手研究者等海外派遣プログラム

 オレゴン大学は、アメリカ合衆国オレゴン州ユージーン市に本拠地をかまえる州立の総合大学です。ここに、近似理論という数学の分野において世界的に著名なYuan Xu教授がいます。高校数学でお馴染みの平均値の定理や台形公式も近似理論の範疇に含まれます。 “Is this an interesting problem for you? If so, go ahead”。教授の言葉です。

 散歩をしながら数学を楽しむこともありました。学内の至るところに生えている大きなモミの木(情科棟の5、6階の高さ)と歴史のある校舎、それらに囲まれて数学を楽しむ時間はゆったりと流れながらも、どこか刺激的でした。良いアイデアは大抵散歩中に生まれました。写真は数学科の校舎で、“Deady”と呼ばれています。他の校舎にもSusan、Lilliyのように、およそ学科を連想するにはほど遠い名前が付いています。試しに数名のスタッフに、建物と学科の対応関係を尋ねてみるとなかなか怪しい答えが返ってきますが、皆さん建物を名前で呼ぶことは大好きな様子でした。名大の情科棟に名前を・・・考えたこともありませんでした。

 滞在中、多くの方々が親切にしてくださったおかげで、基本的に不自由のない生活を送ることができました。それでも困ったのは“単位”の問題でした。スーパーでの買い物、ジムで体重計に乗るときなど、日常のちょっとしたところに12進法、16進法が現れます。アメリカ人の細かいことを気にしない性格がよく表れているようにも感じられました。現地で得た知り合いの中には日本からの留学生も数名いました。彼/彼女達の、異国のスタイルに順応するスピードは流石でした。もし学生の時分に留学経験を積んでいたら、単位の違いなど気にならなかったのかもしれません。

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