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今後の課題

我々人間が歩行する場合,視覚や聴覚などから入手した情報を意識的あるいは無 意識的にフィルターにかけ,自分に必要なもの だけを入手しそれに応じた適切な行動をとっている.現実の人間は他の人間との遠近感を視覚的に瞬間的に,なおか つ感覚的に把握することができる.本システムにおいては,プ ログラム上でのすべての人間との距離を感覚的ではなく数値的に把握し,再描画 するたびに計算しなおしている.そのため.コンピュータへの負荷が大きく,今 回のシステム構築にあたっては,4人を上限としたが,それでもCPUの処理能 力によっては画面上の動きがにぶってしまうことが多々ある.したがって,街な どにおける現実 的な人間の歩行シミュレーションを再現するには,本研究で提案したアルゴリズムではコ ンピュータによる負荷が大きすぎ,現在の一般的なパーソナルコンピュータの処 理能力では短時間でのプログラム実行は非常に難しいと考えられる.したがって, 今後は人間のように瞬時に必要な情報をとり出し,それに対応する動きを与えていくよ うな距離認識のアルゴリズムが期待される.



Hiroyuki Furukawa
2000-04-08