本研究プロジェクトについて

インターネットが普及し始めた当時、人々はそれが「情報を民主化する」ことを期待しました。しかしインターネットはいまだにその期待に応えることができていません。多様な価値観を持った人々が、正しく偏りのない情報に基づいて、お互いの利害に配慮し、そして互いを人として尊重しながら議論ができることが健全な民主主義社会の基盤です。しかし現在、ネット上では、人々はフェイクニュースに踊らされ、フィルターバブルとエコーチェンバーの内側で偏った情報・意見に囲まれています。そして時に無思慮な加害的行動に走り、誹謗中傷をぶつけ合い、ヘイトスピーチをまき散らしています。

これらの問題に対する明らかな対策の一つは、人々の情報リテラシーを向上させることでしょう。ここで私たちは「情報リテラシー」あるいは単に「リテラシー」という言葉を、情報の価値を正しく評価し、そして自らも価値の高い情報を発信することができる能力を指すものとして使います。この意味でのリテラシーをすべての市民の中で高めることは、社会に流通する情報の質、情報コミュニケーションの質の向上をもたらすでしょう。そしてそのことは人々の倫理的な行動を促すことにつながるでしょう。こうして情報環境と人々の倫理的行動は相互に、循環的に影響を与えあって向上していくことが期待できます。

私たちは現代の社会においてリテラシーを持つことは、すべての市民の権利であり、また社会を健全に保つための義務であると考えます。そこですべての市民のリテラシーを向上させ、それによってインターネット上に流通する情報の質を高めることが本プロジェクトの目的です。

ポンチ絵

京都大学学際研究着想コンテストに参加したときのポンチ絵です。

イベント

本研究プロジェクトの一環として,様々な分野の専門家をお招きしてリテラシーに関連する研究や取り組みをご紹介いただくセミナーや研究会を開催します.

三井誠先生講演会

『ルポ 人は科学が苦手――アメリカ「科学不信」の現場から』を上梓された三井誠先生をお呼びして、アメリカでの科学不信の実態をご報告いただき、なぜ多くの人が科学的に明らかにされた事実を受け入れないのかについて議論をしたいと思います。

本講演会はJSPS科研費JP19H00518「ポストトゥルースの時代における新しい情報リテラシーの学際的探求」(代表:久木田水生)、戦略的創造研究推進事業(CREST)「信頼されるAIシステムを支える基盤技術」領域、「知識と推論に基づいて言語で説明できるAIシステム」(代表:乾健太郎)の助成を受けています。

菊池聡先生講演会

認知心理学者で、特に疑似科学や超常現象等に関わる人間の心理や認知をご専門に研究をされている菊池聡先生をお招きしてご講演をして頂きます。ご講演の後はパネルディスカッションを行ないます。パネルディスカッションにはジャーナリストの三井誠先生、認知科学者の田中優子先生、メディア研究者の平和博先生、中村登志哉先生、計算社会科学者の笹原和俊先生、社会心理学者の唐沢穣先生にご登壇頂きます。

本講演会はJSPS科研費JP19H00518「ポストトゥルースの時代における新しい情報リテラシーの学際的探求」(代表:久木田水生)、戦略的創造研究推進事業(CREST)「信頼されるAIシステムを支える基盤技術」領域、「知識と推論に基づいて言語で説明できるAIシステム」(代表:乾健太郎)の助成を受けています。

三井誠先生講演会(2020年3月8日、桜美林大学) 延期します

昨年、『ルポ 人は科学が苦手――アメリカ「科学不信」の現場から』を上梓された三井誠先生をお呼びして、アメリカでの科学不信の実態をご報告いただき、なぜ多くの人が科学的に明らかにされた事実を受け入れないのかについて議論をしたいと思います。

講演会に続いて、本プロジェクトのメンバーによる活動報告と、今後の活動について打ち合わせをします。メンバー以外の方でもご自由に参加していただけます。色々なご意見をいただければ嬉しく思います。

シンポジウム「フェイクニュースとどう向き合うか」(2019年3月31日、立教大学)

こちらのページをご覧ください。


本研究プロジェクトはJSPS科研費JP19H00518「ポストトゥルースの時代における新しい情報リテラシーの学際的探求」の助成を受けています.