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目標地点への移動

経路の空間的もしくは時間的距離は,経路選択の基本的要因の1つであり,いわ ゆる「最短距離指向」が一般的に認められている.これは,われわれの生活行動 全般の根本にある合理性に基づくものと考えられ,目標地点への移動は対人障害 が存在しない局面においては,最短距離で移動するものとして考える. しかしながら,同じ最短距離経路を選択しても,個々人の歩行者主体特性により 歩行速度は異なってくるため,全く同じ経路を歩行する場合でも,速度の多様性 を考えると目標地点への移動は無数に存在する.さらに,個人的に,危険を避け たいという安全側の考え方や,各自が自己の行動のために参照する空間的範囲も 様々である.



Hiroyuki Furukawa
2000-04-08