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男女共同参画推進

情報科学研究科の男女共同参画について

名古屋大学では2003年1月に「男女共同参画室」が設立され、男女共同参画に関する様々な取り組みを実施しています。このサイトでは、情報科学研究科で 現在活躍中の女性教員を紹介しています。この教員らが呼び水になって、女性教員を目指す方が増えていくことを期待しています。

2012年10月
情報科学研究科長 大西 昇

複雑系科学専攻 生命情報論講座
吉田久美(よしだ くみ)教授

名古屋大学大学院農学研究科博士前期課程修了。農学博士。
研究分野は天然物化学、生物有機化学、植物化学。

創造的な研究環境で
好きなことを一生懸命に

アントシアニンによる花色発現の解明に挑んでいます。現在のテーマはアジサイの花色の変異。アジサイは環境などによって花色が変化することで知られていますが、その仕組みはわかっておらず、細胞の分析を進めています。また、アントシアニンの健康効果や発電性能に注目し、有機化学合成の研究も行っています。こうした研究活動を振り返ると、常に志向してきたのは、創造型の研究です。 その都度、必要なことを学んだり、研究手法を限定せずに共同研究に取り組んだりして、新たな疑問や興味を次の研究へ発展させてきました。そういう意味では、情報科学研究科は最適の研究環境。コンピュータサイエンスやメディア科学、社会システムなどの幅広い分野から、性別も国籍も出身も異なる多様な人材が集まる場所だからこそ、創造的な研究が生まれると感じています。
私の場合、当初の研究環境は恵まれたものではありませんでした。生命科学に興味を持って農学部に入り大学院に進学しましたが、当時、その研究室では初の女子学生。企業に就職した際も、修士卒の初の女性研究員という肩書がついてまわる時代で、女性ゆえの悔しさも経験しました。 でも、鈍感力が長けていたのか(笑)、自分が置かれた環境を気にしてもきりがないと、ただ好きな研究を夢中になって続けてきました。それが結果として一生の仕事になり、今はとても幸せです。これから研究者を目指す女性の皆さん、好きなことを見つけて一生懸命やりましょう。今いる場所で全力を尽くせば、きっと道は拓けるはずです。

社会システム情報学専攻 知識社会システム論講座
加藤ジェーン(かとう じぇーん)准教授

名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了。工学博士。
研究分野はコンピュータビジョン、機械学習。

今日の挑戦は
明日へのドアを開く鍵

自然な日常生活環境のもとで収集した大量の観測データ(映像、センサデータなど)から、人の行動を抽出・分析する研究に取り組んでいます。子どもを対象として、子どもの成長状態の把握に重要なコミュニケーション技能や社会技能に関わる行動の計測・分析をめざしています。また、高齢者を対象とすることもできます。 その場合は、認知症をはじめとする様々な病気の早期発見・診断治療に役立つ基礎行動データの抽出を目標とします。前者の応用として、2007年に女性研究者の子育て支援を目的とする両立支援コミュニケーションシステムを開発し、学内保育園に導入しました。 このシステムを利用すると、保育園に預けた子どもの様子を職場や自宅から観察できますし、子どもの成長過程を記録する保育園生活のダイジェスト映像の自動生成機能も活用できます。現在、特許を申請中です。この技術は、今後、子どもの障がいの早期発見や保育のプランづくりにも役立つと考えています。
名古屋大学は女性研究者支援制度が定着・充実しており、女性研究者にも働きやすい環境です。また、情報科学研究科には理系だけでなく哲学、倫理学、美学など多様な分野の教員・学生が集まっているため、自由な雰囲気の中で伸び伸びと研究でき、私はとても気に入っています。確かに研究はしんどいことも多いのですが、壁を越えたときの達成感は何ものにも代えがたい喜びです。 次々に新しい目標が見えてきて意欲が尽きないのも、研究職の魅力です。世の中に「女性にはできないのではないか?」という偏見が残っているのは残念ですが、女性の皆さんには困難を恐れずぜひ研究者の道をめざしてほしいです。今日の挑戦は明日へのドアを開く鍵になります。

複雑系科学専攻 物質情報論講座
張 賀東(ちゃん ふうとん)准教授

名古屋大学大学院工学研究科電子機械工学専攻博士後期課程修了。工学博士。
研究分野はナノ物理現象のシミュレーション、ナノ計測 、ナノトライボロジー

常に新しいチャレンジができる。
それが研究職の醍醐味です。

高校時代、実は文系の方が得意だったんです。でも、文理選択の際、「理系科目が苦手なわけじゃない!
という反発心がわいてきて、理系の道へ進みました。名古屋大学で出会ったのがナノテクノロジーの研究。その面白さにひかれて研究者になり、現在はPCなどに使われる磁気ディスク装置(HDD)の表面に塗られているナノ厚さ潤滑膜の性能向上の研究に取り組んでいます。目指すのは、大容量化や省エネにつながる次世代HDDの潤滑技術の確立。一層の膜に2つの機能を両立させる技術や3次元テクスチャーの開発など、独自のアプローチから研究を進めています。
現在の研究環境の魅力は、一言で言えば「自由」。誰もが気楽に意見交換ができ、個々の研究者が独立して自分のテーマに打ち込める風土が広がっています。私は子どもがいるので子育てしながらの研究。時間が限られるので大変ですが、論文執筆やデータ分析は自宅でもできるため、大学の研究者は育児と仕事を両立させやすいのではないでしょうか。 学校の行事や子どもが病気になったときに休みが取りやすいのも、自分のスタイルで仕事ができる研究者だからこそです。研究は地道な作業の繰り返し。ただ、実験データの中に新しい現象を発見したり、その原因が自分の考え通りだったりしたときは、本当にうれしくやりがいを感じます。また、研究職のように自分がやりたいことに常にチャレンジできる仕事は、世の中を見渡してもそうそうありません。あのとき理系の道を選んで良かった、研究者になって本当に良かったと実感しています。

メディア科学専攻 音声映像科学講座
宮島千代美(みやじま ちよみ)助教

名古屋工業大学大学院工学研究科 電気情報工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。
研究分野は運転行動信号処理、音声信号処理。

学生たちとともに
最先端の研究に取り組む日々が楽しい。

ハンドル操作やブレーキの踏み方など、車の運転にはそれぞれ自分では気づかない癖があるもの。それが危険な運転につながる場合も少なくありません。そこで、運転の見直しや安全意識の向上に役立てようと、運転行動の記録データから運転者の傾向を診断し、個々に安全運転を支援する次世代ドライブレコーダの開発に取り組んでいます。 運転行動に関する研究は比較的歴史が浅く、車の進化に伴って研究の幅が広がるなど、大きな可能性に満ちているのが魅力。また、この地域は日本の自動車産業の中心地で、企業との共同研究も多く、企業の方と協力して最先端の技術を開発できるのも面白い点です。研究に必要な最新の車両や設備など充実した環境の中で、意欲的な学生たちと研究に取り組む日々はとても楽しく、教員としてもやりがいを感じています。
理系分野は、まだまだ女性研究者が少ないのが現状。でも、私はそれで困ったことはありません。むしろ、顔と名前を早く覚えてもらえるので、ある意味メリットかもしれませんね。もし経済面や仕事と家庭との両立に不安を覚え、大学院進学や研究者への道を選ぶことに迷っている女子学生がいるのなら、支援制度を積極的に利用するのも一つの手だと思います。 私も学生時代は奨学金や特別研究員制度のおかげで研究に打ち込むことができましたし、出産後も大学の育児短時間勤務制度を活用するなど、半年のブランクで仕事に復帰できました。「研究が好き」「研究に興味がある」という人なら大丈夫。ぜひ研究者として、一歩を踏み出してみませんか。