TOP > 研究活動 > 研究者総覧「情報知」 > メディア科学専攻 > メディア表現論講座 > 小林 哲生

研究者総覧「情報知」

メディア科学専攻

氏 名
小林 哲生(こばやし てっせい)
講座等
メディア表現論講座
職 名
客員准教授
学 位
博士(学術)
研究分野
実験心理学 / 発達認知科学 / 心理言語学
小林 哲生

研究内容

こどもの言語発達・認知発達
 

ヒトにユニークな特徴とも言える言語。その言語を,ヒトのこどもはどのようにして習得するのかに関して実験心理学的アプローチ(馴化-脱馴化法,視線解析法など)やデータベース解析などを用いて研究を進めています。最近では,1歳後半頃に急に言えることばが増える「語彙爆発」と呼ばれる現象を日誌法による縦断データを取得して分析したり,文法的手がかり(文フレームや項構造など)を利用した名詞/動詞学習の発達過程とそのメカニズムについて日英仏の言語間比較実験をしたりして,言語習得の謎に迫っています。また母親に語彙チェックリストを回答してもらう形で大規模に収集した横断データを解析し,こどもが各語をいつどの程度習得しているかを推定できる語彙検索システムを開発しました。それを,幼児コンテンツ制作や育児支援,言語療育などの現場で利用可能かどうかの検証を進めています。なお,研究で得られた科学的知見を幼児コンテンツに活かす試みとして,NHKの幼児教育番組「いないいないばぁっ」の監修などを専門家の立場から長年にわたって務めてきました。このように,私の目指すゴールは,こどもの言語習得及び認知発達などを科学的に解明し,その科学的知見をICT技術(メディア科学など)と連動させることで,こどもの発達をゆるやかに後押しする発達支援アプリや教育プログラムなどを提案することです。

こどもの言語習得メカニズムの科学的解明とその知見を用いた育児・教育支援システムの提案

経歴

  • 2004年 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了, 博士(学術)。2005年,日本電信電話株式会社 入社。同年NTTコミュニケーション科学基礎研究所 配属。2013年より同研究所 協創情報研究部 主任研究員(特別研究員),現在に至る。

所属学会

  • 日本心理学会
  • 日本認知科学会

主要論文・著書

  1. 「0-3さい はじめてのことば」(小学館,2008)[単著],
  2. 「基本語データベース:語義別単語親密度」(学習研究社,2008)[共著]
  3. Kobayashi, T. et al. (2005). Auditory-visual intermodal matching of small numerosities in 6-month-old infants. Developmental Science, 8, 409-419.
  4. Kobayashi, T. et al. (2004). Baby arithmetic: One object plus one tone. Cognition, 91, B23-B34.