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研究者総覧「情報知」

情報システム学専攻

氏 名
中元 秀明(なかもと ひであき)
講座等
ソフトウェア開発実践論
職 名
客員准教授
学 位
技術士(情報工学)
研究分野
要求分析 / 部品化・再利用 / Webシステム開発技術

研究内容

ビジネスオブジェクトによる情報システム開発
■研究概要■

インターネットを利用した企業間の情報システム連携や、Webを利用したインターネットショッピング等の情報システム利用が拡大している。高品質な情報システムを迅速に構築するには、それを支援する仕組みが必要である。

取り組みの一つがビジネスオブジェクトやビジネスコンポーネントのような部品化・再利用の技術である。Webサービスなどの技術を使い、サービス単位での再利用を目指すサービス指向アーキテクチャー(SOA)も期待されている。

しかし、基盤技術だけで部品化・再利用が可能になるわけではない。部品を設計する手法や、部品を管理する仕組み、要求から再利用部品を探しだし要求に適合させるための手法も重要である。

このように部品化・再利用により、情報システムを効率的に作るために必要な設計・開発手法を研究している。

なお、この活動は産学連携講座として実施されており、実際のビジネス情報システムに近い問題を対象として研究を行っている。

■研究テーマ■

(1) ビジネスオブジェクトの抽出

情報システムの利用者と開発者が要件を正しく確認する上で業務要件を分りやすく表現することが有効である。業務モデリングにビジネスオブジェクトを適用するとともに、そこで設定するビジネスオブジェクトを情報システムと容易に対応させる方法について研究している。

(2) ビジネスオブジェクト/ビジネスコンポーネントによる情報システム構築環境

整備された部品を活用することで、生産性の向上が期待できる。情報システムにおける画面遷移等の最低限必要な情報を与えることで、部品を組み合わせて効率的に情報システムを組み立てる仕組みの研究を行っている。

(3) 部品管理・検索システムの研究

部品化・再利用を成功させるには、部品を管理し、そこから適切な部品を検索できる仕組みが必要である。その際、部品の情報だけでなく組み合わせたシステム事例等も有効と考えられる。どのような部品情報を管理すれば効率的な部品選択が可能になるか研究している。

(4) GUIのモデル化とモデルからの画面生成

Webシステムでは画面作成に様々なプログラム言語が使われている。今後も携帯電話の利用など端末の多様化に伴い、新たな画面作成言語が出現する可能性がある。このときプログラム言語に依存しない抽象化された画面定義モデルから、利用するプログラム言語に合わせた画面プログラムを生成することができれば、ソフトウェアの生産性向上が期待できよう。その可能性を研究している。
部品化・再利用のモデル

部品化・再利用のモデル

経歴

  • 1977年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。
  • 1977年野村コンピュータシステム株式会社入社。2003年野村総合研究所情報技術調査室(現、技術調査部)
  • 2002年名古屋大学情報連携基盤センター客員助教授。2003年同大学大学院情報科学研究科情報システム学専攻客員助教授(連携講座)。現在に至る。

所属学会

  • 情報処理学会
  • 電子情報通信学会
  • ACM
  • IEEE

主要論文・著書

  1. 高信頼Webシステム開発技術への取組み,技術創発Vol. 6,野村総合研究所(2005).
  2. ユビキタスネットワーク時代のシステムインテグレーション技術,知的資産創造 Vol. 11No. 3,野村総合研究所(2003).